Heart Murmur
「ただの雑音」と油断していませんか?心雑音が知らせる心臓のSOS
健康診断や人間ドックの結果報告書に「心雑音あり」「要精密検査」という文字を見つけて、戸惑っていませんか?「とくに苦しくないから」「今まで病気なんて言われたことがないから」と、忙しさを理由に放置してしまう方は少なくありません。しかし、その自己判断は非常に危険です。
心雑音とは、本来スムーズに流れるはずの血液が、心臓の中で乱気流を起こし、「ザーザー」「シュッシュッ」といった異常な音を発している状態です。心臓は全身に血液を送り出す生命の要となるポンプです。そこから異音がしているということは、心臓の構造そのものに重大な欠陥が生じている可能性があります。
無症状であっても、ある日突然、心不全などの取り返しのつかない事態を引き起こすケースがあるため、さいたま市中央区・大宮にある当院「ハートクリニック」の循環器内科へ、一刻も早くご相談ください。
Check
要注意!ただちに受診すべき危険な症状セルフチェック
心雑音を指摘された方の中で、以下の症状に一つでも心当たりがある場合は、すでに心臓病が進行している危険性が極めて高い状態です。一刻の猶予もありません。
- 階段を上ったり、少し早歩きをしただけで異常に息が切れる
- 何もしていない安静時でも、胸がドキドキする(動悸がする)
- 胸が締め付けられるような痛みや、重苦しい圧迫感がある
- 最近、足のすねや顔がひどくむくんでいる、急激に体重が増えた
- 立ちくらみが頻繁に起こる、または気を失って倒れた(失神)ことがある
- 夜、横になって寝ると息苦しくなり、起き上がると少し楽になる
これらの症状は、心臓のポンプ機能が限界を迎えつつある「心不全」の初期サインの可能性があります。手遅れになる前に、至急専門医の診察を受けてください。
Diseases
恐ろしい「心雑音」を引き起こす代表的な心臓疾患
心雑音の背後には、命を脅かす恐ろしい病魔が潜んでいることが多々あります。代表的な疾患をご紹介します。
命に関わる「心臓弁膜症」
心臓には血液の逆流を防ぐための「4つのドア(弁)」があります。このドアが硬くなって開きにくくなる「狭窄症(きょうさくしょう)」や、きちんと閉まらずに血液が逆流してしまう「閉鎖不全症」を総称して心臓弁膜症と呼びます。特に高齢者に多い「大動脈弁狭窄症」は、動脈硬化や加齢が原因で進行し、重症化すると突然死を招く非常に恐ろしい病気です。初期は無症状で進行し、息切れや胸痛などの症状が出た時点ではすでに手遅れに近い状態であることも少なくありません。
心臓の筋肉が異常をきたす「心筋症」
心臓の筋肉そのものが分厚くなりすぎたり(肥大型心筋症)、逆に薄く伸びてペラペラになったり(拡張型心筋症)する病気です。これにより心臓が血液をうまく送り出せなくなり、血液の乱流が起きて心雑音が発生します。進行すると重篤な不整脈や心不全を引き起こします。
大人になってから発覚する「先天性心疾患」
「生まれつきの心臓病なら、子供の頃にわかるはず」と思い込んでいませんか?実は、心臓の壁に開いた小さな穴(心房中隔欠損症など)が、大人になってからの健康診断で初めて見つかるケースは珍しくありません。長年放置されることで心臓への負担が蓄積し、急激に症状が悪化することがあります。
細菌が心臓を食い破る「感染性心内膜炎」
虫歯の治療や抜歯などをきっかけに、口内の細菌が血液に乗り、心臓の弁に付着して増殖する恐ろしい感染症です。弁が破壊されて強烈な心雑音が発生し、原因不明の長引く発熱などを伴います。発見が遅れると急激な心不全に陥り、命を落とす危険性があります。
Note
「異常なし」と言われる心雑音もあるって本当?
心雑音の中には、心臓の構造に全く異常がないのに音が鳴る「機能性心雑音(無害性雑音)」と呼ばれるものも確かに存在します。若い方や痩せ型の方で心臓と胸壁が近い場合や、貧血・甲状腺機能亢進症・発熱・妊娠時など、血液の流れが一時的に速くなることで生じる雑音です。これらは基本的に治療の必要はありません。
しかし、「自分の心雑音は無害なものだろう」と勝手に思い込むのは絶対にやめてください。それが無害な機能性雑音なのか、命に関わる病的な器質性雑音なのかは、循環器を専門とする医師が精密な検査を行わなければ絶対に判別できないからです。
Risk
無症状でも進行する恐怖。放置するとどうなる?
「心雑音を指摘されたけれど、何も症状がないから平気」という油断が、最大の罠です。心臓は非常に我慢強い臓器であり、限界のギリギリまで正常に働こうと無理を続けます。そのため、自覚症状が出た時にはすでに重症化しており、すぐに大掛かりな開胸手術が必要になったり、最悪の場合は命を落としたりするケースが後を絶ちません。
心雑音は、痛みのないうちに迫り来る「サイレントキラー(静かな殺し屋)」の足音です。無症状の段階で病気を発見し、適切なタイミングで治療や薬の介入を行うことが、あなたの寿命を左右すると言っても過言ではありません。
Levine Scale
心雑音の危険度を示す「レバイン分類」とは?
医師は聴診器を当てた際、心雑音の大きさを「レバイン(Levine)分類」という1度から6度までの6段階で評価します。
| グレード | 聴こえ方の目安 |
|---|---|
| 1度 | 静かな部屋で集中しないと聞こえない微かな音 |
| 2度 | 静かな部屋で注意すれば聴こえる軽度の音 |
| 3度 | 聴診器を当てれば明らかに聴こえる音 |
| 4度 | 強い音で、触診でも振動(スリル)を感じる |
| 5度 | 聴診器を少し離しても聴こえるほど大きな音 |
| 6度 | 聴診器を胸から離しても聴こえるほどの爆音 |
一般的に音が大きい(3度以上)ほど病的な原因が疑われますが、「音が小さいから安全」というわけではありません。小さな雑音の裏に致命的な病変が隠れていることも多いため、総合的な検査が不可欠です。
Examination
ハートクリニック(大宮)で行う、安心・確実な心雑音検査
当院では、心雑音を指摘された患者様に対し、不安を取り除き、正確な診断を下すために以下の検査を迅速に行います。
痛みのない決定打「心エコー(心臓超音波検査)」
心雑音の原因を突き止めるための最も重要かつ強力な武器が「心エコー検査」です。胸にゼリーを塗り、超音波の機械を当てるだけで、心臓の筋肉の動き、4つの弁の開閉状態、血液の逆流の有無などをリアルタイムで鮮明に観察できます。痛みや被ばくのリスクは一切なく、安全に心臓の内部を隅々までチェックできます。
その他の基本検査(心電図・胸部X線など)
心エコーに加えて、不整脈の有無を調べる心電図検査や、心臓の肥大・肺への水分の貯留を確認する胸部レントゲン検査などを組み合わせることで、心臓が今どのような状態にあるかを正確に把握します。貧血や甲状腺の異常が疑われる場合は、血液検査も実施します。
健康診断での「心雑音」の指摘は、あなたに与えられた命の警告です。早期に原因を特定し、経過観察で良いのか、すぐさま治療が必要なのかを見極めることが何よりも大切です。「大したことないだろう」という自己判断は命取りです。不安な日々を過ごす前に、まずは大宮の「ハートクリニック」へご相談ください。

文責: 青木 康大